フード・マイレージと食べ物の地産地消
食べ物の地産地消で温暖化防止
地域でとれたものを地域で食べる。このシンプルな取り組みが、自給率のアップ・食の安心安全・地域の農業や水産業の活性化など、地域の活性化につながる良い効果がたくさんあります。
それだけでなく、地産地消は食べ物の輸送距離を削減することになり、輸送にかかるエネルギーを大幅に削減できるので、地球温暖化防止にもなります。
フード・マイレージとは
「食料の(=food)輸送距離(=mileage)」。食料の輸送量と輸送距離を把握する時の考え方(指標)です。
フード・マイレージ=食料の重さ×輸送距離
輸送にかかるエネルギーが、地球温暖化にどれだけ関係するのかは「フード・マイレージCO₂」として計算することができます。
フード・マイレージCO₂=食料の重さ×輸送距離×輸送手段(船やトラック等)のCO₂ 排出係数
たとえば、魚のフライの材料として「カナダ産ししゃも」と「舞鶴産カマス」のフード・マイレージCO₂を比較してみると、舞鶴産カマスを選ぶことで約90%の輸送エネルギー減になることが分かります。
日本のフード・マイレージは…
先進国の中でも食料自給率の低い日本は、フード・マイレージが飛びぬけて高くなっています。日本の食材・地元の食材を食べることは、自給率のアップ・食の安心安全・地域の農業や水産業の活性化などに繋がります。
出典)フードシステム研究 第18巻3号2011 p287-290 農林水産省統計部 中田哲也
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)より
旬の食材にも注目を!
夏の野菜を冬に作ろうとすると、ビニールハウス等で加温する必要があります。つまり、生産するためのエネルギーがたくさん必要になります。
たとえば、「夏の露地栽培のきゅうり」に比べると、「冬のハウス栽培のきゅうり」は生産エネルギーが5倍も必要だということが分かります。
旬の食材を選んで食卓で四季を感じることは、実は省エネ=温暖化防止にも繋がっているんです。
これを機会に、京都の旬についても、ぜひチェックしてみてください!
京都府温暖化防止センターが過去に実施してきた「食の地産地消」事業
再配達削減で社会貢献&温暖化防止
あなたは一年間でいくつぐらい宅配を受け取っていますか?
宅配される荷物の数は、年々増えています。日本全体で1年間の宅配便の個数は、約42.5億個。国民一人当たりで平均すると30個以上となります。20年前と比べると、約2.6倍にもなっています!
再配達問題
宅配の数が増える一方、インターネットでのお買い物の増加や、共働き世帯が増えるなどのライフスタイルの変化により、宅配の再配達も増えてきており、宅配ドライバーの労働問題が指摘されるようになってきました。
- もう一度配達に行かなければならない再配達は「新たな価値を生み出さない労働」です。
- 再配達のためにトラックが余分に走り回らなければならないことは、環境問題にもつながります
- 受け取り手にとっても、再配達になることは、すぐに荷物を受け取れなくて不便で、再配達連絡にも手間がかかってしまうというデメリットがあります。
再配達を減らすことは、社会問題(労働問題)も、環境問題も改善することにつながります。そして、受け取り手にとっても再配達の手続きをせずに済むのはメリットになりますね。
コロナ禍だからこそ、再配達を減らそう!
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、2020年春頃から、人との接触を減らすことができる宅配の利用が増えているようです(※1)。一部の人々にとって、宅配は、生活に必要なものを得るためのライフラインにもなっています。
一方で、緊急事態宣言や外出自粛要請を受けて在宅率が上がり、今年の4月の調査では、一時的に「再配達が減った」という結果が出ています(※2)(ただし、その後の経済活動再開を受けて、再配達率はまた増えている可能性があります)。
また、接触を避けてかつ再配達を削減できる「置き配」に注目が集まるなど、宅配の事情が少しずつ変化してきています。
コロナ禍の中で、宅配や再配達事情にも変化が見られますが、宅配個数が増えていることには変わりがありません。そんな中だからこそ、荷物を受け取るときは、可能な方は工夫をして、出来るだけ1回で受け取りましょう。
- (※1)ヤマト、宅配便個数19.5%増 5月、6年ぶり伸び率(2020年6月4日、共同通信)
- (※2)宅配便の再配達率は8.5%と大幅に低下~令和2年4月の調査結果を公表~(2020年6月26日、国土交通省)